海外鉱物資源の獲得と安定供給
銅、亜鉛、鉛、金、銀およびニッケルなどの非鉄金属は、鉄やエネルギーなどと並び、現代の産業にとって必要不可欠な金属〜ベースメタルです。
●銅、金、銀
電線やめっき用途があり、その優れた電導性や加工性から最先端のエレクトロニクスや精密加工の分野においても重要な素材の1つになっています。
●鉛
放射線遮へい材として有名ですが、最大の用途は鉛バッテリーです。自動車用のほか、医療分野やコンピューター用の非常時電源にも使われています。最近では地震時の制振材用途など、その活用が広がっています。
●亜鉛
防錆や防食用として、自動車から船舶、橋梁、屋根などまで、暮らし中の安全、安心に役立っています。
●この他
銅や亜鉛には優れた殺菌効果があり、医療機関における活用などが今後ますます期待されています。
●ニッケル
優れた耐食性、耐久性があり、ステンレス鋼に多く用いられています。またニッケル水素電池材としての用途など幅広く用いられています。
かつての日本には、別子、足尾、日立、吉岡、神岡、小坂などといった金属鉱山が数多くあり、世界でも有数の銅や銀の産出国でした。国内鉱山から産出する鉱物資源を用いて、国内製錬所において銅、亜鉛、鉛などの非鉄金属を製錬し、国内産業に対して供給してきました。
しかしこれらの鉱山は、資源の枯渇や急激な円高の進行などによってやがて採算がとれなくなり、ほとんどの鉱山が閉山となっています。現在では菱刈金山(鹿児島)を1つだけ残すのみとなっています。
現在、日本の非鉄金属鉱業界は、世界トップレベルの鉱山技術を用いて、北南米や太平洋などに位置する諸外国に積極的に進出し、鉱山開発などを行い、海外の鉱物資源の獲得に努めております。
海外鉱物資源を輸入し国内製錬所において製錬することで、国経済および国民生活に必要不可欠である良質な非鉄金属の安定供給に努めています。